世の中の消費者の「安さ重視」の比率はどのくらいか?

私たちアトムチェーンでは新年最初のFC会議の時に、本会議とは別に経営理念と販促の勉強会を行います。

 

近年、その中でご紹介する指標の一つに「生活者一万人アンケート」にある「4つの消費スタイルの推移」があります。

こちらのアンケートは野村総合研究所が1997年から3年に一度、ランダムに選ばれた全国15歳~79歳の男女計1万人を対象に行う、生活像や価値観、消費実態についての大規模調査。

1月7日に開催した弊社勉強会では紹介に間に合わなかったのですが、先日1月14日にその2024年版の第10回調査の一部内容を知らせるニュースリリースが発表されました。

 

この「4つの消費スタイル」は、消費者意識を縦軸に「価格へのこだわり」、横軸に「商品・サービスへのこだわり」で分類したマトリクスで表現されます。

 

すなわち、

①「商品へのこだわりは無い」「価格は高くても良い」=利便性消費

②「商品へのこだわりは無い」「価格は安さ重視」=安さ納得消費

③「商品へのこだわりがある」「価格は高くても良い」=プレミアム消費

④「商品へのこだわりがある」「価格は安さ重視」=徹底探索消費

というわけです。

 

アトム電器では特に②安さ重視消費と、③プレミアム消費の割合に着目して来ました。

私たちのような地域密着サービスを求めておられる消費者層は、まさに③のプレミアム消費にカテゴライズされる層であり、その層は家電小売業界を挙げて長年続いた価格競争によって衰退している=地域電器店の先行きは暗い、との見方も根強かったからです。

 

ところが統計が始まった2000年からのこの指標の変化に着目すると、2000年時点での構成比は

②安さ納得消費=40% / ③プレミアム消費=13%

 

で3倍以上の開きがあったものが、2021年時点では

②安さ納得消費=24% / ③プレミアム消費=24%

と完全に並びました。

 

年初で紹介出来たのはここまでの情報だったのですが、公開された2024年の調査結果では、

②安さ納得消費=22% / ③プレミアム消費=25%

と逆転しています。

 

つまりこの四半世紀の間に消費者全体の比率としては「何が何でも安く!」という層は半減し、「自分が大切と思うこと=付加価値には払うべきお金は払う」と考える層は倍増したことを示しています。重要なことは調査開始以降、コロナ禍やこのたびの物価高騰など大きな変化がありながらも、一貫してその傾向は変わらず続いているということです。

 

その「大切に思うこと=付加価値」の中には地域密着店さんが今現在のお客様に選ばれている理由(親身であるとか、施工・工事力への信頼、アフターフォロー、あるいは人柄など)も含まれるはずで、それを近隣地域に広げて考えると、20年前よりも共感され易くなっていることを、この調査結果は示しています。

 

もちろんそのために情報発信するツールは多様化していますし、消費者個々人の中でもある場合は安さ重視、またある場合は付加価値重視、という使い分けもあり、単純に割り切れないこともあります。勉強会ではその辺りについてもお伝えさせて頂きました。

 

地域電器店様からは特にご新規向けは、価格にうるさい顧客ばかりで自店の顧客にはなり難いとのお声を伺うことも多いですが、今一度自店が既存のお客様に「選ばれる理由」を掘り下げてみると、地域への浸透度がグッと深まるチャンスかも知れませんので、ぜひ今年取り組んでみることをお勧めします。

このブログを書いた人

メオマサユキ

(株)アトムチェーン本部 店舗運営部長。「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社後、経理、法務、 加盟店相談、店舗開発、物流部長を経て、2023年3月より現職。