まちの電器屋さんの小さな販促実践委員会
利益が出にくくなった時の対策の探し方
事業に波は付きものですが、利益が出にくくなり、業績が悪化すると、対策を打たねばなりません。
そこでやみくもにチラシを撒いたり、値下げなどをして却って状況が悪化させてしまった、という経験をされた方も多いと思います。
そうしたには行き当たりばったりではなく、根拠をもって対策を打って行きたいもの。
すぐにそれが出来れば苦労はしないのですが、その根拠とはどうやって探せば良いのでしょうか?
アトム電器の場合、推奨しているのはとてもシンプルなことで、【家電店収益の公式】の公式に当てはめてみること。
【家電店収益の公式】から、自店を測るモノサシを得る
どのような業種でも大体そうですが、お店の収益は顧客数×客単価×粗利益率によって表されます。
この収益の業界統計などを知ると、例えば平均値と自店の値の差などから現在地を推測することなどが出来ます。
アトム電器チェーン加盟店様の場合、おおよそですが、
・お客様一世帯あたりの年間お買上げ額(客単価)=8万円/年
・目標粗利益率=35%
と設定していますので、例えばセールスマン1人当たりの粗利益を70万/月=840万/年(活動および店舗諸経費を差し引くと、年収600万円を期待できるライン)を目安とすると、
・お客様数 × 8万円 × 35% = 840万円 → お客様数 = 300軒
というお客様数が出て来ます。(※一例であり、上記数値は仕入れ先や取扱品などで変動します)
業績が落ちているな、何か対策しなきゃな、という時は、まずこれをモノサシに自店の姿を見つめ直すことが第一歩です。
顧客数の割に売上が上がっていない事実はどう認識すれば良いか?
例えば自店の顧客名簿に500軒のお客様情報が記載されているとします。ところが近年売上げが落ちてきている。
上記の式なら500軒 × 客単価8万円で、年商4500万円のところ、例えば3000万円まで下がっているとすると、現状では客単価=6万円ということになります。数字上では8万円が6万円まで下がっている(テコ入れしなきゃ)となりますが、現実にはみんな平均して少し買わなくなる、なんてことはあり得ませんよね。
実際には「買う人には変わらず買って頂けているが、一部の方がほぼ買わなくなっている」です。つまり売上が2/3になったということは、500軒の顧客名簿のうち1/3からも自店が購入先と見なされなくなっている、と認識することが対策のスタートラインになります。
その認識が出来ると、そういえばあの方は最近、施設に移られたな、とか、ご子息と同居され始めたな、とか既に関係が変化してしまっているお客様のことが浮かぶはずです。顧客名簿を眺めて、状況を冷静に見直すことが大切です。
今までチラシやニューズレターなどお客様への情報発信が弱かったのであれば、それも月一程度に頻度を上げる必要はありますが、どちらかと言うと、地域に自店紹介を含めたチラシ等を使って、新規客募集を始めることが先決です。チラシを見て頂けた方に自店HPやブログ・SNS、Googleビジネスプロフィールなどへの誘導する「出口」を用意できるとなお良いですよね。
お客様のライフステージによって自店以前に購入という行為から卒業されてしまう、顧客とは入れ替わって行くものという宿命からは逃れられません。なまじ名簿という実体があるだけに、顧客減少という実態に向き合えていない電器店様は意外と多い気がします。
どんなに老舗のお店であっても、地域に自店の存在を知ってもらう、という活動は活動のルーティンに組み込んでおきたいですよね。
このブログを書いた人
メオマサユキ
(株)アトムチェーン本部 店舗運営部長。「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社後、経理、法務、 加盟店相談、店舗開発、物流部長を経て、2023年3月より現職。