誰も欲しかった訳ではないのに、誰もが飛びついたサービス

(この記事は弊社アメブロ記事からの加筆・転載です)

2011年3月11日 東日本大震災が発生した時間。

私たちアトムチェーン本部は直営店展示品のテレビで流される津波の映像を呆然と見ていました。

その後1週間。私たち本部は部署メンバー総力を挙げて、被災された東北の加盟店さんの消息確認を毎日血眼になって続けていました。

ちょうど当時、震災から12日後の私の社内へのメッセージの書き込みを繰ってみるとこうあります。
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From: メオ(内線XX)
at Wed Mar 23 14:42:11 2011 (多)(封)
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≪被災情報の報告≫
唯一確認の取れていなかった●●店さんとも本日、連絡がつき、
これで、メンバー店全員の生存が確認できました!
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From: ◎◎◎ (内線YY)
at Wed Mar 23 14:48:03 2011 (RSA)(封)
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了解です。
それにしてもアトムパワー恐るべし!!
メンバー店さん全員無事で本当によかったです!><
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下半分は社内のSさんが付けてくれたコメントです。

幸い、加盟店さんには直接の人的被害は無く、本部内に安堵の空気が流れたことは今でも鮮明に覚えています。

 

そんな消息確認の中で大変お世話になったのは、グーグルの「Person finder」サービスでした。

 

「消息が知りたい!」にドンピシャで応えてくれました(画像は現在のデモ版)

 

あの時・・・

誰も「サービス」が欲しかった訳じゃありません。

衝撃的な震災映像を見たかった訳でもありません。

ただただ、自分と関わり合いのある人の消息が知りたかっただけです。

 

人は「商品・サービスを通して“何かがしたい”」んです。

グーグルはPerson finderを通してボクらの「探したい」にドンピシャで応えてくれた。

自分達がしたいのにイメージ出来なかったことを提示してくれた。

だから私たちをはじめ、誰もが飛びつき、利用した。

 

伝えたいこと、分かります・・・よね?

このことは、その後2011年4月23日時点でPerson Finderに寄せられた被災者情報が62万件を越えた、という事実が物語っています。

 

自分達のビジネスを使ってお客様の「~したい」に応えること。

それを率先して考え、発信し続けることこそ、ボクらの使命なのかも知れません。

自分自身に言い聞かせる言葉として当時を思い返してみました。

 

4月から新年度です。
被災地の方々にとって、喜びの多い年になりますように。

このブログを書いた人

メオマサユキ

(株)アトムチェーン本部 店舗運営部長。「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社後、経理、法務、 加盟店相談、店舗開発、物流部長を経て、2023年3月より現職。