まちの電器屋さんの小さな販促実践委員会
顧客ゼロから。“まちのでんきや”さんの垂直立ち上げ
今月のアトム電器社長会では、家電量販店の販売員をされていた頃にテレビで町の電器屋業界ではとくに有名な「でんかのヤマグチ」さんの紹介を目にして、このまま量販店員を続けるよりも“まちのでんきや”としての将来の方が夢があるのではないか、と50歳を越えて一念発起。そこからご加盟後約5年になるアトム電器日立川尻店様の事例を議題に取り上げました。
令和の時代に顧客ゼロから“まちのでんきや”を立ち上げられるか?
しかし、いくらでんかのヤマグチさんの紹介番組に感銘を受けたとはいえ、そこから独立に至る方などまずおられません。
自分にも出来ると信じ、行動に移された時点で既に成功に向かって走り出しておられたのだと思います。
私も立上げ当初にお会いさせて頂いたことがありましたが、意欲に満ち溢れておられた印象があります。
実際には最初は売上が立たないので、量販店での経験や持っておられた古物商の資格なども使ってどうにかしようと迷走されてしまったり、相当なご苦労もあったそうです。そういったご苦労も経験されて、あることに気付かれてからは「顧客ゼロからの立ち上がり」が進み始めた、ということでした。
商品よりも“買い方”をお届けする
気付かれたのは「とにかく顧客づくりに集中する」ということ。
これ。至極当然なことのように見えて、実際は安売りをしようとしてみたり、商売を拡げようとしてみたり、出来ていない方が多いんです。
自分の側からではなく、お客様の側に立って自店を見る。
ここに立ち返ってまずは店を知ってもらおうと、自店と自分たちの存在を知らせるチラシを配り続け、買う・買わないは別にして「あのチラシの店は知ってる」という方を増やすことに注力されました。
お店を知っている方が増えただけでは、売り上げに直結はしません。日立川尻店様の場合、そこからお客様になって頂くために取られた行動がすごかった。
「ご購入価格は家電量販店のチラシと同等価格」
(量販店は値引き・ポイントでサービスするが)「当店は買った後のきめ細やかなアフターフォローでサービス」
というアトム電器の特長を店長様自身が熱くご説明して回られ、1人、また1人と「それならば」というお客様が増えていったとのことでした。
これって店長様ご自身とお客様との約束でもあるし、お客様にとっては商品が高い・安い以上に「買い方」を提案してくれるお店なんだ、と認知されたということでもあるんです。
これを地道に続けられた執念に頭が下がる思いですが、実際、そこから4年で400軒のお客様が出来て、電器店として軌道に乗り始めたということでした。
50歳を越えてのまちのでんきや業界へのトライ、という希少な発表でしたが、聞かれた加盟店さん達からも概ね、元気をもらった、ナイストライと好評の声が相次いだのでした。
本部は加盟店様のことを見ています
ご発表の際に、加盟店の中ではまだ売り上げ規模も小さいお店をこうしてちゃんと取り上げてくれて、と私たち本部にも感謝のお言葉も頂戴しました。
私たちは私たちで毎月、加盟店様毎の仕入実績を抽出し、必ず目を通しています。
特に私はご加盟直後に面談させてもらったお店様でもあるので、今月はこの位置にいる、ここまで伸ばして来ておられる、とずっと注目していました。
東京のアトム電器社長会には会場に来て頂いて、私が進行としてご紹介させていただくことも出来て、感慨深い事例となりました。
今年はお店移転も進めておられ、さらに飛躍の年となりそうです。
私たちも今後も少しづつではありますが、電器店の起業支援もサポート強化して参ります。
日立川尻店様、このたびはご協力ありがとうございました!
このブログを書いた人
メオマサユキ
(株)アトムチェーン本部 店舗運営部長。「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社後、経理、法務、 加盟店相談、店舗開発、物流部長を経て、2023年3月より現職。