地域電器店にとって仕入値や品揃え以上に大切なことは

実は縮小していない「まちのでんきや」市場

現在、国内家電小売市場の規模は約7兆円あり、そのうち地域電器店=まちのでんきやが占める割合は店舗数は減り続けているにも関わらず、4500~5000億円、約7%で留まり続けている、と云われています。つまり単純計算ではお店によっては売上増になっている状況すらあると言うことも出来ます。

 

そのような状況にあって価格や仕入面はもちろん大事ですが、地域電器店にとって一番重要なことは何だと思いますか?

地域電器店さんはよく仕入値や品揃えを気にされます。実際、価格に敏感なお客様は多いですのでそれを無視することは出来ません。しかし私たちは一番重要なことはそれではないと考えます。ではそれは何でしょう?

 

それは存在を忘れられないこと。

 

お客様側からすると困っているのにどこに頼めばよいか分からない。私たちのようなまちのでんきや業界の者は、本来、地域電器店に頼めばすぐ解決すると分かっていることなのに知られていない、こういう状況が昨今沢山あります。

 

価格を気にされるお客様が多いということは、裏を返せば地域店として価格以外の価値を伝えられていない、ということかも知れません。

 

先月のチェーン社長会、その後お招き頂いたdj-net 全日本でんき屋ネットワーク様のFC説明会では、アトム加盟5年になる東山電気・アトム板橋東山店さんの事例を共有させて頂きました。東山電気さんの場合、地域店本来の長所、頼んで頂けたらご満足いただけること、が近隣の地域でなかなか伝わっておらず苦労されていたところ、ご加盟を機に地域での認知を上げることに成功し、V字回復を遂げ、現在では息子さんが後継ぎに手を挙げられる状況になっています。

 


それもこれも近隣で存在を知られるようになったから。

 

既にブログもニュースレターもやっているのにこれ以上何か変わるの?

東山電気さんはご加盟前から存じ上げているのですが、地域店の販促活動において必要とされるブログやニュースレターで「個を出す」情報発信は既にされていました。ですので私自身、弊社とご契約頂けるとお聞きした時は嬉しかったですが、既に十分がんばられているのでそこまで大きな変化は起こらないかも知れない。その分、精一杯サポートさせて頂こうとも思っていました。

 

ところが今回のこのV字回復と後継者さんが名乗りを上げられるという劇的な変化。

 

素直に感じた疑問をぶつけてみました。沢山教えて頂いたのですが、ひと言で言えばがんばって来たことをちゃんと乗せられる仕組みを手に入れたことが大きかったようで、つまり、

 

ニュースレターにしても、大きなイベントなど理由が無ければそう何度もお届け出来ない

毎月発行の特選品カタログという仕組みに出会えた。

それを店頭にも置き、道行く方々にも知って頂くという機会を作れた。

お店近隣の認知が上がり、より近くかつお店の特長をご理解頂いているお客様がグッと増えた。

 

このようなことのようです。他にも、

・販促の年間計画がハッキリしているので、先々の計画が立てやすくなった
・本部交渉済みの商品はある程度利益確保出来ると分かっているので、価格にそこまで神経質にならずに済む
・販促物が豊富なのでそこからのアイデアが浮かびやすい

・結果として半月、1ヵ月先のご予約が埋まるようになった

など、元々さまざまな取り組みをされていたところに、チェーンの仕組みが上手くはまって歯車が回り出した、というお話を聞かせて頂きました。

 

 

「知られること」が事業継続の第一歩

今回、板橋東山店の大畠社長には様々な場所でこのお話をしていただき、大変にお世話になりました。

息子さんとなら更に上を目指せると大きな夢を語られる姿が本当に楽しそうで、私まで嬉しい気持ちになりました。

お店の益々の発展につながるよう、全力でサポートさせていただきます。

このブログを書いた人

メオマサユキ

(株)アトムチェーン本部 店舗運営部長。「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社後、経理、法務、 加盟店相談、店舗開発、物流部長を経て、2023年3月より現職。