まちの電器屋さんの小さな販促実践委員会
【重要】地域店の後継者不足より先に来る、顧客の世代交代の問題
かつて「2007年問題」というものが取り沙汰されたことがありました。
2007年問題(2007ねんもんだい)とは、2007年(平成19年)における団塊の世代の一斉退職にともない、発生が予想された問題の総称。(wikipediaより)
団塊世代のサラリーマンの多くがこの年60才定年を迎え、人手不足や技術やノウハウ継承の断絶などが起こるのでは、と云われました。自営業の方にはサラリーマンと違って定年はありませんが、体力、気力などの理由で70歳前後、つまり2017年頃からリタイアが増え始めるのでは?と言われており、実際、この頃から中小企業の後継者不足の問題が新聞記事に掲載されるようになります。
しかし実際に2017年を迎えてみると、チェーンで日ごろ街の電器屋さんに向き合う私たちには、この問題を少し違う形で実感するようになりました。
後継者不足より先に来る、顧客の世代交代の問題
私たちの周りを見ても年齢などを区切りに引退されるお店様も増えてはいますが、それよりも別の形で大きな問題が起こっています。それは(事業経営の)プレイヤーよりもカスタマー、つまり今まで電器屋さんと長年お付き合いのあったお客様が年金生活に入って購買力を落としたり、人生の終わりを意識して大きな買い物をされなくなったり、子供さんに決裁権を委ねたりと「今までのお得意様」の変化が顕著になって来ています。
事実、2012年ごろから続けていたご加盟店様との支援面談では、2016年と2017年では面談の傾向に明らかな違いが出ていて、2016年は件数で上位を占めたのが
①息子などへの事業承継について
②チェーンの仕組みの有効活用について
③資金繰りに関する相談
であったところ、2017年では
①顧客の世代交代に関する不安
②息子などへの事業承継について
③チェーンの仕組みの有効活用について
とお客様が年齢を重ねモノをあまり買われなくなったり、ご商談に息子、娘さんが間に入られるようになる、などのご相談が増えました。特にこれまで既存客様を大切にお付き合いして来たお店様からこうした話をお聞きすることが多く、それは既存客様にリソースを割く分、ご新規さんづくりにあまり手を掛けずに営業が成り立って来た、ことの裏返しなのかも知れません。
世間では一般的に「中小企業経営者の高齢化と後継者不足」が問題視され、政府機関やメーカーなどが支援しようとしていますが、実際にはお客様の方が生活環境や健康状態の変化で購買意欲が減退したり、家計の決裁が子供さん世代に移るなどの問題が先に起こっているので、後継者が居たとしても上手く行かない場合も多いんですよね。
実際、この問題に気付いてから30、40代のお客様との関わりを築いて行こうとしても、従来のやり方とは伝わり方が違って戸惑うこともあります。このブログではこれを「顧客の世代交代問題」と呼び、問題をきちんと認識して向き合って行けるような方法を提示できれば、と考えています。
このブログを書いた人
メオマサユキ
(株)アトムチェーン本部 店舗運営部長。「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社後、経理、法務、 加盟店相談、店舗開発、物流部長を経て、2023年3月より現職。